私は稽古の中で、腕の重みを伝えてくださいとお願いすることがあります。単純に考えてみましょう。物理的に人間の片腕の重さは体重の6.5%程度だそうです。体重60キロの人だと3.9キロ、体重70キロだと4.6キロほどになります。例えば片手を前に出し手のひらを上にしたところに2リットルのペットボトル2本(つまり4キロ)を乗せられたらどうでしょう。けっこうつらいと思います。
ひとつの稽古方法があります。受けが片手を手の平を上にして前に出す。取りがその上に片手をのせます。受けは前触れもなく支えていた手を瞬時に横にさっとずらします。その時取りの手はどうなっているでしょう。私は何人かの人に、これを試したことがありますが、ほぼすべての人が、そのまま腕が前に出たままです。その状態というのは、自分で自分の腕を持ち上げていることになります。つまり何も重さが伝わってないことになります。
受けが腕をずらしたときに、取りの腕が自然にすとんと下に落ちたら重さを伝えたといっていいと思います。
地味ですが、なかなかこれができないのです。
一つの方法として、これを目を閉じてやる方法があります。何人かの人にやってもらいましたが、数回で腕が自然に落ちるようになりました。目を閉じると情報はお互いの手の接触点しかありません。そこに神経が集中するわけです。
言葉で説明するとわかりずらいかもしれません。今度の稽古で実践してみましょう。
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